「もっと声量が欲しい」
目黒区自由が丘ボイトレ個人教室からこんにちは。MMボーカルスクールの三橋です。
「年齢とともに声が細くなった気がして、もっと声量が欲しいんです」
「私の声は小さいから、もっと力強く歌えるようになりたい」
ボーカルレッスンを行っていると、歌うことを心から愛する大人の女性たちから、このようなご相談をよく受けます。
ご家族や周りの環境に気を配り、長年ご自身の「歌いたい」「声を出したい」という気持ちをそっと胸の奥にしまってきた方もいらっしゃるかもしれません。そうして久しぶりに声を出そうとした時、「もっと頑張って大きな声を出さなきゃ」と思ってしまうのは、とても自然なことです。
しかし、音声学や解剖学の観点から実際の声を聴かせていただくと、意外な事実がわかります。 それは、
「すでに十分な声量が出ている(むしろ頑張って出しすぎている)」という方が多い、ということです。
本日は、無理をして喉を痛める前に知っておいていただきたい「ジャストな声量」と、科学的に喉を守りながら豊かな声を作るアプローチについてお話しします。
楽器と同じように、あなたの体には「ジャストな声量」がある
アコースティックギターやバイオリンといった楽器に、それぞれ「最も美しく響く適正なボリューム」があるように、私たち人間の体にも「ジャストな声量」が存在します。
声帯の大きさ、喉から口先までの空間(声道)の長さや形、そして骨格は、一人ひとり全く異なります。つまり、物理的に「無理なく、かつ最も効率よく響く声の限界値」は誰かと比べるものではなく、あなただけのものなのです。
大人世代の喉は、若い頃と比べて筋肉や粘膜の水分量が変化しており、とてもデリケートです。ご自身の持つ「ジャストな声量」を正確に把握することは、これから先も長く、美しく歌い続けるための大切な第一歩となります。
「息の量」で声を押し出すことの危険性
「もっと大きな声を!」と思ったとき、多くの方が無意識にやってしまうのが、「息(呼気)を強く吐き出して、無理に声を押し出す」という行為です。
専門家の視点から申し上げると、これは喉にとって非常に危険な状態です。 声帯が受け止めきれないほどの強い息の圧力(呼気圧)をかけると、2枚の声帯が激しくぶつかり合い、強い摩擦が生じます。これを繰り返すと、声帯が炎症を起こし、ポリープや結節の原因となってしまいます。
息の力に頼った力みのある発声は、声帯の寿命を縮めてしまう行為なのです。
無理なく「通る声」を作る秘密は『倍音』にある
では、息を強く吐かずに、どうやって豊かで通る声を作るのでしょうか?
その答えは『倍音(ばいおん)』のコントロールにあります。
本当に美しく響く声というのは、息の量が多い声ではありません。声帯で作られた小さな原音を、口や鼻の奥の空間(声道)で正しく共鳴させた声です。
特定の周波数帯域が強調され、豊かな「倍音」を含んだ声は、物理的な音量(デシベル)を無理に上げなくても、人間の耳には「非常に豊かで、遠くまでよく通る美しい声」として届きます。
一流のシンガーが、あれほど豊かな声で歌っても喉を枯らさないのは、力任せの息ではなく、この「倍音と共鳴の力」を音響学的に最大限に利用しているからです。
あなたの「本当の声量」を確認してみませんか?
自分が今、「無理な息で声を押し出している」のか、
それとも「倍音を正しく使って、適正な声量で歌えている」のか。
これを自分自身の耳だけで正確に判断するのは、実はとても困難です。自分の感覚と、外に聞こえている実際の声には、常にギャップがあるからです。
「自分の本当のジャストな声量を知りたい」
「長年抑えてきた声を、無理のない美しい響きで解放してみたい」
そう思われた方は、ぜひ一度、MMボーカルスクールへご自身の声をチェックしにいらしてください。
世界標準の科学的な発声理論に基づき、あなたの喉の構造に合った「ジャストな声量」を見つけ、無理なく本来の魅力を引き出すお手伝いをさせていただきます。
喉をすり減らす歌い方から卒業し、一生歌い続けられる自由で美しい声を手に入れましょう。

